第9話 過去から来るもの

増援として最前線へと降り立ったのは、以前にも新たなダークファルスと戦闘経験があるシナノ  sukeixisu 龍鬼 UKAMの4人と、その一助として新システム「MRS」の提唱・管理責任者でもあるトリニティと、助手という名目で連れて来られたセリスの5人だけだった

「5人・・・だけなのか? 」

人数を確認し、不安を拭いきれないオーザが言葉を漏らす
無理もない、ただでさえ現状は芳しく無く、相対するのは航宙艦レベルの巨躯を誇り、自らを【憤怒】名乗るダークファルスの完全体・・・
たった5人の増援が来ただけでこの状況を打破できるとは到底思えないのも無理はない・・・だが・・・

「前回の戦闘データと新型からのフィードバックのおかげで、多数の問題点も克服できたし、いくつかの改良も施せた・・・前よりだいぶパワーアップしているはずだよ。」

「そりゃ楽しみだな、前の相手はすぐ退いたから何か消化不良みたいな感じでモヤモヤしてたんだ!」

「フン、俺モアノ時ハ満足行クマデ殺リ合ッテナイカラナ・・・今度ハ本当ニ最後マデ付キ合ッテ貰イタイモンダ。」

「俺達もどこまで伸びてるか、前はすぐに終わっちまったし・・・キッチリ付き合って貰うぜ、ダークファルスさんよ!」

「俺達全員で未来を掴む・・・さぁ、アークスの時間だ!」

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第8話 「大罪」の名を持つダークファルス

「……な、なんなんだ……あのサイズは……!」

「デケェ……前に戦った【巨躯】よりも遥かに……!」

地を割って現れたのは、巨大な影……8本もの腕と眼を持つ、40年前に初代クラリスクレイスによって封印され、ごく最近において封印が解かれてしまい、再びアークスに対し“闘争”と称して戦いを挑み、今なお猛威を振るうダークファルス【巨躯】、その完全体と呼ばれる姿に酷似していた。

『……虫ケラ共よ、この我が自ら引導を渡してやろう……さぁ、歯向かえ!
 そして、この【憤怒(フリアン)】の力の前に力なく跪き、醜く滅び去るが良い……!!』

自ら【憤怒】と名乗り、自信満々にアークスへと宣戦布告。
同時に帯同させた大量のファルス・アームが周辺のアークスへと群がり、文字通りの蹂躙を開始した。

「……っ、シエラ! 全アークスに緊急指示! 調査地点LH403にて【巨躯】に酷似したダークファルスや取り巻きと交戦中! 大至急、応援を寄越して!!」

調査チームとして同行していた総務部副司令のサラが、自身の権限を以てシエラへ緊急指示を伝える

« わ、わかりました! 付近を活動中の全アークスへ救援要請を発令!
  以後は緊急対処マニュアル・B-3にて対応しますっ! »

指示を受け取り、シエラも即座に「緊急対処マニュアル」にてシップ内の各部署への指示と全アークスへの通知を開始……その間にも【憤怒】と名乗るダークファルスからは激しい攻撃が続いていた

『フハハハハハ! 我が力の前には、何人であろうと無力よ!!』

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第7話 絶望と希望と(後編)

- 異常反応中域・ダーカーの巣 極大反応潜伏エリア -

仮設拠点外縁部の戦闘が終了して約2時間後、侵攻作戦は滞りなく進み、アークスの大部隊の大半が最深部と思われる広い平原のようなエリアへと侵入していた
道中のダーカーはほぼ殲滅され、各シップからの観測で極大反応がこのエリアの何処かに潜んでいると言う報告を元に、広大なこのエリアを探索している

「……なぁ、さっきから思うんだが……。」

「何だよ、もったいぶらず早く言え。」

「……なんで、ボクたち六芒と一緒なのん?」

「……………………知らねぇよ。」

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第7話 絶望と希望と(前編)

周囲を囲む人影は誰一人として動けず、荒廃する大地の中で動く姿はたった2人
赤と白の残像を互いに交錯させ、レギアスと赤い女性キャストが剣戟を交えていた

「……何故だ、君は……!」

「……とうに察してたんだろう? だったら、そういう事だ!」

剣戟と共に言葉を交わす2人……あまりの出来事に周囲は誰一人として動けず、ただ2人の死闘を黙って見ているしかなかった

«何をやっている?! その場の敵性対象は六芒の一に任せ、貴官らは作戦を続行しろ!!»

オペレーターからの罵声が飛び、ようやく周囲が動き始めた
しかし、その事に女キャストは気にも留める様子などなく、ただひたすらにレギアスへ向けて剣戟と狂気を放っていた

「……なぁ、あの顔……どこかで見たことないか?」

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第6話 真紅の再臨

≪アークスシップ全艦へ緊急通達!
 船団左舷に異常パラメータを検知、巨大構造物が転移してくる可能性大!
 距離は約2000、出現はおよそ750秒後と推測・・・繰り返す・・・≫

かつて、ダークファルスや「深遠なる闇」の出現予兆など、数々の巨大敵性存在の出現報告はそれぞれに僅かな時間の差はあるものの、マザーシップの中枢存在であるシャオの演算により約30分前には予測が付いていたのだが、今回は全く異なっていた・・・何ら予兆もなしに転移反応を検知、そしてその僅か12~3分後に現れるという現象は前代未聞である
事態を重く見たシャオは管理者権限でアークスの各部署を緊急招集し、同時進行で事態へ対処すべく全アークスへの緊急作戦の指示を発する

かくして、船団宙域付近に突如として現れたダーカーの巣に対して、突入駆除作戦が始まろうとしていた

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第5話 未来へと向かうために

「始まりはそう・・・かの【巨躯】戦争の前だ。
 私がまだ六芒となる前、私とアルマは・・・1人のアークスの運命を変えてしまったのだ。」

レギアスから語られた衝撃的な内容・・・
かつて六芒と呼ばれる前に、レギアスとアルマは1つの過ちを犯したのだという
それは組織にとっては些細な事、しかし2人にとっては今なお尾を引く悔恨だった

「私はかつて、もう1人の剣士と腕を競い合っていた。
・・・彼女は強かった・・・随分と過去の事だが、私と彼女とはほぼ互角の腕前だった・・・これはマリアも当然知っている。
当時、ダークファルス【巨躯】から世界を・・・アークスを守り続けられたのは、私とアルマだけでなく、彼女・・・刹那の存在もあってこそだった。」

一同は驚愕した・・・刹那とは、【巨躯】戦争の最中にアークスを裏切り、防衛部隊に壊滅的被害を与える引き金となった人物である。
しかし、レギアスから語られた彼女に関する事柄は、当時の情報とはあまりにも掛け離れたものであった

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第4話 異質なる力(後編)

市街地で対峙する数人の人影・・・一人は純白の装具に身を包む六芒の一、レギアス。
相対するのは黒ずくめのダークファルスらしき男。
そしてレギアスと黒男から少し離れて立つのは、シナノ達にベルトを渡し終えて戻ってきた透火ともう一人・・・露出の多い紫紺の衣装に首周りから目立つ羽飾りが印象的な長身の女性だった。

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番外編 その力、仮面に宿して

- 虚空機関 某・研究施設跡地 -

 私がこの研究を初めて、かれこれもう20年は経った
ある程度までは形になっているものの、肝心な適合者の選定と運用システムの構築に目処が立たない・・・私の研究は既に風前の灯だ・・・総長から研究援助の打ち切りを宣告されて3年は耐えたが、もはや限界が近い・・・
いずれ資金も尽き、生活にも困窮するだろう・・・しかし、私が考案したこのシステムを活用できる者さえいれば、アークスの生還率は飛躍的に上がり、あのダークファルスでさえも難なく撃退できるはずだ・・・あと少し、あと少しなのだ・・・

外からは見えないサングラスの向こうに、確かな何かを感じた目で手記のデータに目を通していたクロトは、表示させていたホロウィンドウを閉じ、何処かへと連絡を取るべく端末を操作し始めた

「・・・やぁ、久しぶりだね・・・ちょっと相談があるんだけど、良いかな?」

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第4話 異質なる力(前編)

「・・・変身!」

叫ぶ声と共に4人は迷いなくそれぞれ動き出す

最初に変身したのはUKAMだった
携帯端末の様なパーツをベルトのスロットへ差し込み、横に倒してベルトにロックする

『Complete!』

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第3話 襲撃、アンスール防衛戦

『敵性体、区画通路から市街地エリアへ侵入!
アークス全員に緊急連絡、市街地に侵入した敵性体を直ちに迎撃してください!!』

シエラの指示で緊急通達が行われ、市街地に警報が鳴り響く
それと同時に市街地の各所にある迎撃設備も稼働し始め、迎撃体制を整えたアークス達も順次現着・・・
過去の教訓と現場の努力が、この短時間で迎撃体制を整えられる結果を産み出していた
しかし、当の迎撃対象である黒い女にとってはただの煩わしい障害が少し増えた程度しか思っていなかったし、実際問題そうであった

「ふふふ・・・小物がぞろぞろとやって来る・・・♪」

黒い女は不敵な笑みを絶やさず、むしろ障害の登場に歓喜すらしたようだった

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