第15話 明日への絆

「……以上が、現段階のMRSの運用状況と概要です。
別途資料に、運用データの補足資料と候補者の情報は添付済みですので、そちらは各自でご確認を。」

トリニティ直々のMRSの報告が漸く終わった……
質疑応答の時間を除けば、現行で運用されている5種のベルトの情報は簡潔に纏められており、説明に要する時間は少なかったが……如何せんフォトンエネルギーによる可用性が広すぎるせいで様々な質問が飛び交い、研究を重ねているトリニティであっても未知の可能性の宝庫であるフォトンの全容は掴みきれていない。
更に、「バカ代表」のクラリスクレイスとヒューイによって質問数が膨れ上がってしまった為、会議時間が大幅に伸び、結果半日を要する事となってしまったのだった。


「……これほど長時間に渡るとは、思っても見なかったな。」

レギアスがフォトンチェアからゆっくりと立ち上がり、トリニティへと謝罪する。
しかし、トリニティは横に首を振って答えた

「いえ、改めてフォトンの扱いや着眼点など、個人の差を再認識できたんです……
むしろ僕の方が感謝すべきですね。」

「そうか……それは十分過ぎる意義があったな。」

レギアスの目的は、彼の研究成果と合わせて現状を、指令を始めとする全員に周知させる目的だったが……どうやら彼自身にも、なにか思う所があったらしい。



その頃、DF達は攫ってきた彩火をカプセルに閉じ込めて意識を奪い、以前アークスと戦った巣とは別の場所で集まっていた。

『……そんなチビっ子が、何の役に立つの?』

『すぐに分かるわよ、コレは以前の私が産み出した最高の素体なんだから……』

【嫉妬】が【傲慢】に茶々を入れるが、意に介さぬ【傲慢】はそっけなく返事をする……ため息を付いて【嫉妬】はその場を離れ、【傲慢】だけが残った。

『……ふふふ、この素体さえあればあの方が蘇るわ……!』

辛うじて人の顔の面影が残る不気味な笑みをしながら、【傲慢】は作業に没頭していった……
【傲慢】の手元に現れる画面には、次々と検証結果などの情報が現れては消え、を繰り返し、不意にある人物の表示で止まる

……それは、かつてアークスを我が物とした人物のデータだった。




次回予告

攫われた彩火を探す透火達、アテもなく彷徨う少女は1人さみしげに歌う歌声を聞く
それはかつて、影の存在として世を渡り、今は歌姫として活躍する少女だった

互いの悩みを打ち明け、少女2人はある秘密を共有する

そして、一つの奇跡が起きるのだった

次回 PSO2-ACE’s
第16話 時の流れに揺蕩うもの

拭えない過去と再び向き合い、少女たちは決意する
その背を押すのは、巨大な白い影だった

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