第10話 伝説は塗り変えるもの

« フフフ…我が力に平伏せアークス共! »

「戦闘体」へと姿を変えた【憤怒】が吠える
その声は後方援護に徹していた一部のアークス達に対し、底知れない恐怖を想起させていた

「…勝ち目なんて、あるのか…?」

「あんな化け物、勝てっこないぜ……」

「クソッ、体の震えが止まらねぇ!」

「いけませんね…そろそろレギアス達の援護に回りたいですが、こうも想定外の事態に見舞われると…!」

カスラの表情がわずかに歪む、あれほど巨大だった【憤怒】の完全体が突如としてかき消え、同時に大量の瘴気ダーカーも姿を消している
しかし、周囲に漂う息が詰まるほどの強烈な存在感と威圧感、そして絶望感は微塵も減っていない
先行したレギアス達の安否を気遣いながらも、カスラは残存戦力を再編成し直すべく各部隊の状況把握に務める他無かった

その時、上空を1機のキャンプシップが駆け抜けていく
機体の側面には「混沌に戯れし双子の亡霊」のシンボルが描かれていた

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