第1話 惑星(ほし)と少女と暗闇と act.4

巨体が倒れ込む音と共に特徴的な断末魔を上げてマギサ・メデューナは息絶える。
残るのはあまりの独壇場っぷりに言葉を失ったサラと、してやったり顔でハイタッチを決める双子であった。

「・・・練習・・・練習なのこれで?」
「にゃ? そうにゃよー。」
「単一目標に対しての効果的かつ迅速な対応の一環・・・
その答の一つが、『多数・多方向からの攻撃により目標を釘付けにしたまま殲滅まで持っていく事』。
私たちはそれを2人だけで行えるようにしているだけです。」

淡々と答える瑠那の隣ではしゃぐ眞那。

「当面の目標はボス級大型エネミーを出落ちさせるっ!」

などと斜め上の目標を高らかに宣言した眞那。
サラはというと・・・「勝手にしなさい」とばかりの盛大なため息で2人を見るだけだった。

-同エリア・分割ルートB組-

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第1話 惑星(ほし)と少女と暗闇と act.3

-惑星ウォパル ルーサーの研究施設・秘匿エリア-

秘匿エリアの入口からここまでさしたる抵抗も出迎えもなく、周辺を探索しつつ奥へと進む一行
長い沈黙を破ったのはまたもセキュリティロックだった

「・・・ココも透火ちゃんの認証、要るのかな?」

ずんが端末を調べながら呟く、瑠那がカード用のスリットに気付き知らせた。

「ココ、さっきの所員証が使えるかも・・・」

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第1話 惑星(ほし)と少女と暗闇と act.2

トリニティとずんは護衛隊と分かれ、斥候として捜索に出てしばらく・・・
2人は先程のエリアからは少し離れた開けた地点で周囲の様子を探っていた。

「この辺りの海王種も、ほとんど居なくなってる・・・ということは」

ずんは推測ながら、周囲の海王種はほとんどダーカーに追われてこの近辺から去ったか、あるいは先程の防衛戦で殲滅しきれた、と類推する
トリニティのセンサーも、それを肯定する環境数値を示していた。
・・・しかし、少しだけ違う情報もあった。

「でも、この周辺の海王種は移動したんじゃない・・・この場で殲滅させられてるね。」

残留するフォトンのデータは、ある反応を顕著に示していた・・・それはアークスが放つ攻撃性テクニックのフォトン反応だった。

「この場でも戦闘が? 仮にそうならそのアークスは一体どこに・・・?」

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第1話 惑星(ほし)と少女と暗闇と act.1

スクナヒメとロ・カミツ襲撃事件から約1ヶ月・・・

ロ・カミツの封印状態は「限定空間内の時間停止による継続的拘束状態」と判明し、現場と原生民族である龍族に詳しいアキを加えた対策専門チームが結成され、解決案を模索中・・・

スクナヒメを襲撃した謎の「黒い女」に関しては、目下消息不明・・・

しかし、「黒い女」探索中に謎の信号をキャッチする、それは惑星ウォパルにあったルーサーの研究施設…その未調査区画からであった。

-アークスシップ4番艦・アンスール 一般区画「真紅の酒場」-

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